ズキン、ズキン、とまた胸が痛くなる。
見ていられなくて、少し下を向くと。
「ほら、麻菜」
そんな仲森さんの声と共に、目の前の置かれたミルクティー。
「え……?」
置かれたミルクティーを見て、思わず涙が出そうになった。
懐かしい……
ミルクティーにはたくさんの思い出が詰まっているんだ。
「あ、麻菜ちゃん、ミルクティー苦手だったんじゃないの?」
ミルクティーを見たまま固まったわたしを心配して、幸さんが言った。
すると。
「そんなはずねーよ。麻菜はミルクティーが大好物だから」
仲森さん、覚えてたんだ。
覚えててくれたんだ……
わたしがミルクティー好きなこと。
昔、仲森さんと一緒に下校してるとき、よく途中の自販機でミルクティーを買ってもらったっけ。
ミルクティーを見ると、そんな優しい思い出を思い出す。



