「それより何がいい?」
「何がって?」
「そこの自販機で何か飲み物買ってきてやる」
「秀平にしては珍しく気が利くじゃない。そうね、じゃあ、缶コーヒーよろしく」
「……珍しくは余計だ。分かった。缶コーヒーな」
幸さんに飲みたいものを聞くと、さっさとスタッフルームを出ていった仲森さん。
やっぱり仲良いな、二人……
「ほんと、珍しいわね。秀平があんなことするなんて」
「………」
「誰かさんにいいとこ見せたいのかしら?」
「………?」
数分で、仲森さんは戻ってきた。
手に二つの缶コーヒー、そしてミルクティーを持って。
「ほれ、コーヒー」
「ありがとー」
無表情の仲森さんが渡した缶コーヒーを幸さんは笑顔で受け取った。



