「そうね。それは本人に直接聞いてみるのが一番かもしれないわね」
意味ありげな笑みを浮かべた幸さん。
たまに幸さんがわたしに見せる表情だ。
やっぱり幸さんは……
「幸さんは何か知ってるんですよね?仲森さんが何を考えているのか、本当は知っているんじゃないですか?」
全てを見透かしたような幸さんの表情。
ずっと何かを知っているんじゃないかって思っていた。
「どうしてそう思うの?」
「幸さんは時々、全て見透かしたような顔をします。それに……」
「それに?」
「仲森さんと仲良いみたいだから、何か知ってるんじゃないかって……」
わたし、どうしてこんな言い方してるんだろう。
これじゃあ、まるで嫉妬してるみたいじゃない。
「私と秀平の仲を疑ってるの?麻菜ちゃん」
ちょうどその時だった。
―――ガチャッ
スタッフルームの扉が再び開き、誰かが入ってきたようだった。



