ジョンがゆっくりと中に入ってきて、仲森さんの目の前までやってきた。


同じくらいの背の高さの二人。


睨み合う二人を、わたしはどうすることも出来ず、ただ見つめるしかなかった。




「俺が困らせてるって?」

「今だけじゃない。仲森と会ってから麻菜はいつもこんな困ったような表情しか見せない」



思わず、叫びそうになった。


―――違うって。



でも、それが出来なかったのは、二人の表情があまりにも真剣だったから。




「麻菜が何に苦しんでいるのか分からない。でも、麻菜がこんな辛そうな表情を見せるのは、少なからず仲森が関係してるんだろ?」

「……これは俺たちの問題だ。関係のないお前は首を突っ込むな」

「でも、これ以上麻菜が苦しんでいるのを見ていられない。もう麻菜を苦しめないでほしい」



一瞬顔を歪ませた仲森さんは、この後口を開くことはなかった。




ち、違うの……ジョン。

仲森さんのせいじゃない。


これは全て……