騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~




「日本のSTAT☆?日本にあるSTAR☆ってうちだけですよね?」

「今は、な。うちが上手くいけば、これから日本の支店をどんどん増やしていくらしい」

「えっ!?」



日本ではあまり人気がなかったSTAR☆というブランド。


うちが上手くいけばということは、上手くいかなくてこの百貨店からもしうちが消えてしまったら。


日本ではSTAR☆の服が買えなくなってしまう、ということなんだ。



「日本でこれからSTAR☆というブランドが広まるかは、全てうちにかかってるということだな」



あっさりこう言う仲森さんに、これは大変なことになったと思った。


それなのに、こんなわたしが助っ人だなんて。


もし、失敗したらわたしはどんな顔してアメリカに戻ればいいんだろう。


こんな話をしていたら、いつの間にかロッカールームに到着し。


どうやら仲森さんも今から帰るらしく、身支度を整えていた。



「麻菜、腹空かない?飯でもどうだ?」

「え……?」



まさか予想もしていなかった仲森さんからのお誘い。