真っ直ぐな瞳がわたしを捕えている。


思わず反らしたくなるほど、真っ直ぐわたしだけを。




「どうしてそんな泣きそうな顔してるんだよ」


ジョンの口調が変わった。


いつもの柔らかい感じではなくて、必死な感じが伝わってくる。




「泣きそうになんて……」

「そんな顔して、泣きそうじゃないって?」



そうだよ……

泣きそうな顔なんて……してない。




「なんでそんな顔させるような奴がいいんだよ」



パサッとわたしの手から傘が離れ……

その手を引かれた私は、ジョンに抱きしめられていた。




「ジョ、ジョン……離してよ」

「……嫌だ。離すものか」



抵抗するものの、なかなか抜け出すことが出来ない。


それなのにますますキツく抱きしめられ、逃げ場を失った。