あの表情が頭から離れない。


歓迎会の席で、昔の事故のことが話題になった時の……

仲森さんのあの表情が。


ひどく顔を歪ませ、苦しそうなあの表情が。



もう仲森さんのそんな表情はみたくなかったのに。

だから、もう会わないって決めたのに。


どうしてまたこうなっちゃったんだろう。


わたしは仲森さんの疫病神でしかないんだ……


やっぱりわたしは、彼の傍にいてはいけない。


早く離れないと。




「はぁ……」



離れないといけないのに、離れたくない。


矛盾する思いがわたしを支配する。






「まーな!一緒に帰ろう」


仕事帰り、ちょうど百貨店を出たところでジョンに会った。