中学のころから野球部に入っている秀ちゃん。
高3の秀ちゃんは今年引退ということもあって、一段と気合が入っていた。
そんなわたしはマネージャーをやっていて。
いつも秀ちゃんの姿を見ていた。
秀ちゃんのポジションはピッチャー。
最後の甲子園に向けて、汗を流し練習に励んでいる。
「秀ちゃん、お疲れ様」
キャッチャーの溝口先輩を巻き添えにして、自主練をしていた秀ちゃんにタオルを持っていった。
「溝口先輩も毎日ありがとうございます」
天才ピッチャーと言われている秀ちゃんだけれど。
天才と言われるのは、こうした努力の賜物だ。
「麻菜、ありがとう」
練習中はキリッとした表情だった秀ちゃんが。
こうしてニコッと笑った、この表情が好き。
秀ちゃんは優しくて、いつも笑顔を見せてくれる。



