もしかしたら、わたしは少しでも楽になりたかったのかもしれない。
それはわたしのせいじゃないって。
言ってもらいたかったのかもしれない。
「ねぇ、麻菜ちゃん。ずっと気になっていたんだけど」
幸さんに誘われて、初めて二人で職場近くのイタリアンに食事に行った時だった。
幸さんが真剣に話を振ってきたのは。
「何ですか?」
「麻菜ちゃんと秀平って昔何があったの?」
「んぐほっ!ごほっ、ごほっ!」
何を話すのかと思ったら、わたしと仲森さんのことだったなんて。
予想外の質問に、思わずパスタを詰まらせてしまった。
「大丈夫?麻菜ちゃん」
「ごほっ、はい……だ、大丈夫です」
「何かあったんでしょう。秀平と」
「い、いえ。何も……」



