騙されてあげる~鬼上司に秘密の恋心~




「というわけで、これ下さい!」


このお客様たちは五人組で、一気に五着も売れてしまった。




「ありがとうございます。またお越しくださいませ」



満面の笑みで、お買い上げしてくれて。

こちらまで笑顔になってしまいそうだった。




「なんか、呆気なく謎が解けちゃったわねぇ」

「そうですね」

「もうちょっと探偵気分を味わいたかったのに。つまんなーい」



つまんなーいって……

楽しんでたんですか、幸さんは。




「それにしてもキャラメル様って誰なんだろうね」

「あっ、そうですよね。うーん、誰なんでしょうか……」

「おそらく、昨日お買い上げしてくださったお客様の中の誰かよね」

「うーん……」



いくら昨日売り上げが低かったからって言っても……

ワンピースはある程度売れていたからなぁ。