「うんしょっ」
わたしも出来るかと思って二つ持ち上げてみた。
幸さんはあんなに軽々と持ち上げていたから、出来ると思ったんだけど。
結構重く、ひょろひょろとよろけてしまった。
「あら、大丈夫?力ないのね」
「幸さんが力あり過ぎなんです」
わたしには二つは無理だったので、一つずつ運ぶことにした。
それにしても幸さん……
汗一つかかずに、すごい。
「よいしょっと。ふぅ~」
幸さんと二人でようやく半分くらいまで運び終えた時だった。
「貸せ」
ひょいとわたしの手から段ボールを取っていった人物がいた。
一気に重さがなくなり、伸びてきた手の人物の顔を見てみると。



