それから幸さんと二人でスタッフルームから出ると、店長に声をかけられた。




「あっ、二人とも着替え終わったんなら、倉庫を整理してきてくれ」

「倉庫を?」

「今日、STAR-MIXの洋服が届けられることになってるから、そのための棚を用意しておいてほしい」



他の社員たちは開店準備をしている中、わたしたちが任されたのは在庫整理。


少し重労働だ。




「全く……どうして私たち二人なのかしらねぇ」


倉庫に入るなり、幸さんがボソッと呟いた。




「確かに……」


棚一つ分を開けるように言われたから、結構な量がある。




「じゃあ、麻菜ちゃん。ちゃっちゃと終わらせちゃいましょうか」

「そうですね……」



中に洋服がびっしり詰まった段ボールを二つ、幸さんは軽々と持ち上げている。


幸さんって意外と、力持ち……?