それから数日後に、STAR-MIXの洋服が届けられた。
「麻菜ちゃんの担当はこれね」
幸さんに言われ渡されたのは、シャツにフリルのスカートという組み合わせのもの。
本日からわたしが出したもう一つの提案も実際に行われることになっていたのだ。
わたしたち店員がお店の服を着て、接客を行うというスタイルを。
それを手に取り、何とも言えない気持ちになる。
「あの……幸さん。これ、わたしには似合わないと思うんですけど」
普段スカートなんて履かないわたしには、着こなせないこと間違いなしだ。
「そんなことないわよ。麻菜ちゃんにはこれが似合うと思って取っておいたの」
にこにこと笑いながら言う幸さん。
ちゃっかり自分は大人の女性が着こなすようなパンツを選んでいるくせに。
確かに似合ってるから何一つ文句はないのだけれど。
「それにこれ、若い子がターゲットじゃないですか。わたしには無理です」
「何言ってるの!麻菜ちゃんだって十分若いじゃない」
バシッと腕を叩かれ、スタッフルームに無理やり入れられる。



