結衣は渋い顔をしながら腕を組んで、本当はロイドしか知らないのに、経験豊富なお姉さんぶって偉そうに言う。


「大人の女は段取りにうるさいの。そういう段取りを間違えるエロ学者がいたのよ」


 途端にランシュは吹き出した。


「でもユイは、それでも受け入れたんだよね」


 うっかりエロ学者と言ってしまい、ロイドの事だとあっさりばれてしまったようだ。

 少しきまりが悪くて、結衣は目を泳がせる。
 すると今度は、ランシュが尋ねてきた。


「ユイは何が欲しい? 大人の女の人ってどんな物が欲しいのか、オレ、よく分からないんだ。教えてよ」

「うーん。無難なところだと花束かな? 花をもらって嫌がる人はいないと思う。
でも他の物だと人によって違うわよ。大人でもぬいぐるみや人形が大好きな人もいるし、指輪やネックレスはつけないからいらないって人もいるし」

「それじゃ参考にならないよ。ユイは何をもらったら嬉しいの?」