確かにランシュの言う通り、こうして家でぼんやりしていても、気持ちが沈むばかりだ。

 結衣は返事をして、改めてランシュの姿を見つめた。

 着の身着のままやって来たランシュは荷物を何も持っておらず、靴以外、全身ロイドの借り物に身を包んでいる。

 ロイドより背が低く華奢なランシュは、シャツの袖もズボンの裾も折り曲げて、明らかにサイズが合っていない。


「じゃあ、買い物に行こうか。ランシュの服を買いに行こう」


 結衣が笑顔で提案すると、ランシュは困惑した表情を見せた。


「え……いいよ、オレのは。ユイの欲しい物買いなよ」

「私がランシュの服を買いたいの。だってロイドの服じゃ大きすぎるでしょ?」

「そうだけど、小さいよりは問題ないし」

「もう、遠慮しないで。いつも色々手伝ってもらってるから、その対価よ。その代わり明日からもしっかり手伝ってもらうわね」