バイナリー・ハート



 ユイはムッとして、即座に言い返す。
 ロイドは一層目を細めて続けた。


「それと同じだ。おまえが誰にも話さないと言うなら、誰にもばれない事は分かっている。けれど、だからといって、オレが話すわけにはいかないんだ。おまえの気持ちだけ、ありがたく頂戴しておく」

「……うん」


 ロイドが頭を撫でると、ユイは目を伏せて力なく頷いた。

 不意にユイは顔を上げて、わざとらしいほどの明るい笑顔を見せた。


「無理な事言ってごめんね。ご飯はないけど、お茶を淹れるから。私、下で待ってるわね」


 そう言うと、シュークリームの乗った皿を持って、寝室を出て行った。

 ロイドもすぐに寝室を出て身支度を調え、荷物を持って自室を出た。
 その時、廊下でばったりランシュに出くわした。