言われてみれば、その通りかもしれない。
 一般の人は「夢のような事」と切り捨ててしまうけれど、そこで終わらせないのが科学者なのだろう。

 何につけても「おもしろい」が基準になっているロイドのマシンは、まさに夢の結晶そのもののような気がする。

 そう思うと、自然に顔がほころんだ。


「確かに、ロイドのマシンってそんな感じ。ランシュはおもしろい物って作った事ある?」

「考えてる間って、自分では全部おもしろいんだけどね。そうだなぁ……」


 そう言って宙を見つめ考え込んだランシュは、これまで見た事がないほどワクワクしている子供のようだ。


「脳のないロボットって、おもしろいと思わない?」


 不意に目を輝かせて、ランシュが話を振ってきた。
 おもしろいかどうかより、結衣にはそれがどういう物なのかピンと来ない。