家に帰ってからずっと、二人が親しげにしているほど、ロイドは疎外感を覚えた。

 二人の会話が耳障りでしょうがない。

 せっかくの好物も、ろくに味が分からないほど苛ついたロイドは、ロールケーキを食べ終わったと同時に席を立った。


「悪いが、オレは持ち帰りの仕事がある。後は二人で楽しんでくれ」


 ユイは少し驚いたように目を見張った後、残念そうにロイドを見つめて返事をする。


「あ、うん……」


 ランシュは口の端を少し上げ、上目遣いにロイドを見上げた。


「オレ、何かお手伝いしましょうか?」


 仕事を自宅に持ち帰ってはならない事をランシュは知っている。
 この場を立ち去るための口実である事を分かっていながら、神経を逆なでするランシュの言葉に、ロイドは苛立ちを通り越して怒りすら覚えた。