すでに日は落ちて随分経っていた。
 オレンジ色のやわらかな街灯の光に包まれたラフルールの街を、ロイドは足早に家路を辿る。

 ユイに危害を加えないと誓ったが、復讐を企んでいるランシュと二人きりで家にいる、ユイの事が気がかりだった。

 科学技術局を出る前に、今から帰ると連絡したら、ユイは少し驚いたような声を上げた。
 定時よりは大分遅いが、いつもよりは大分早いからだ。

 少し驚いたものの、すぐにユイは嬉しそうに告げた。ランシュの歓迎会をするから丁度よかったと。

 ロイドとしてはあまり歓迎したくはないが、ユイの楽しそうな声に少しホッとした。

 家に着き玄関の扉を開けると、仲良く楽しそうに夕食の支度をするランシュとユイの姿が目に入った。

 ランシュが店に通っていた頃から面識はあったとしても、かなり打ち解けた様子だ。

 ユイの無事な姿に安心したものの、なんとなくおもしろくない。