「無用の心配よね」


 同意を求めるように、結衣は笑いながらランシュの顔を覗き込む。
 彼は横目で見上げながら、口の端で少し笑った。


「そうでもないよ。オレ、ユイが気に入ってるって言っちゃったし。先生としては心穏やかではいられなかったんじゃないかな」


 結衣は思わず吹き出した。


「ホント、ヤキモチ焼きね」


 ロイドの友人である王子や王宮医師のローザンから色々聞かされて、ロイドがヤキモチ焼きだとは知っていた。
 結婚してからは、それも落ち着いたと思っていたのに、相変わらずのようだ。

 染髪が終わり、ランシュは洗面所に髪を洗いに行った。

 結衣はダイニングテーブルの隅に置いていた、黄色い小鳥ロボットの電源を入れる。