未だに涙ぐむユイを気にしながら、ランシュがロイドに問いかけた。
「本当にこれでよかったんですか?」
「今さら何を言っている。おまえが選んだ道だろう」
「でも……」
ロイドはニヤリと笑い、ランシュの顔を覗き込む。
「なんだ、医療チェックが心配なのか? 医療機器を欺くくらい朝飯前だろう? それとも、そんなことも出来ないようなポンコツなのか?」
「それは心配していません。オレはあなたが心配なんです。もしもオレのことがバレたら、あなたもタダでは済みませんよ」
不安そうな目で見つめるランシュに、ロイドはフッと笑みを浮かべて頭を撫でた。
「そんな事は承知の上だ。もしもその時は、共に墜ちてやる」
「先生……」