ロイドの制止を振り切り強行しようとした開発は、法に抵触するものだったのだ。

 それが副局長の目に留まり、ロイドは局長として、やむなくランシュを免職にするしかなかった。

 結果的にランシュが心血注いでいた夢を、ロイドは途中で奪ってしまった事になるのだ。

 ランシュは少し遠くを見るような目で考えた後、静かにつぶやいた。


「復讐か……。そうですね。そんな感情、この二年間ですっかり忘れていました」


 ロイドを見つめてニッコリ微笑んだ後、ランシュの表情は一変する。

 その瞳には、二年前と同じ憎悪がみなぎっていた。


「思い出させてくれて、ありがとうございます」