バイナリー・ハート



 科学技術局に戻れば、すぐに復帰は無理でも、ロイドが付いていれば、何とか計らってもらえるだろう。

 ゆうべ、そんな話し合いをしたのかもしれない。

 ユイは差し出されたランシュの手を握り返す。
 けれどまだ、不安は消えずにいた。

 名残惜しむかのように、結衣をじっと見つめて、ランシュは握った手を緩く振りながら離そうとしない。


「たまには遊びに来てね」


 ランシュは一瞬ためらった後、満面の笑顔で頷いた。


「うん。必ず」


 キッパリと言い切って、ランシュは手を離した。

 ウソだと直感した。