バイナリー・ハート



 そして、いつもの屈託のない笑顔を見せる。


「前と違っててもいいんだ。ユイって賢いね」


 ランシュに笑顔が戻り、結衣はホッとして席を立った。


「早起きし過ぎちゃったからケーキ作ったの。食べる?」
「うん。ありがとう」


 二人で食卓に移動して、チョコチップ入りのシフォンケーキを食べ始める。

 おいしそうにケーキを頬張るランシュを見ながら、結衣の中にふと疑問が湧いてきた。

 ロボットのランシュは、飲んだり食べたりする必要はない、と言っていたが——。

 あまりに不躾に凝視していたからか、ランシュが気付き手を休めて問いかけた。


「どうかした?」
「あ、うん。ちょっと気になって……」