大した火傷じゃなかったからローザンは呼ばないと言い残して、ロイドは仕事に向かった。

 おそらくランシュの腕は、実際に損傷してはいないのだろう。
 ロイドはランシュがロボットである事を確認したのだ。

 二人でいったい、どんな話をしたのか、結衣には分からない。

 けれど二人の関係が、あまりいい方向に進んだわけではない事は、なんとなく分かった。

 服を着替えてリビングに戻ってきたランシュが、少し塞いでいるからだ。


「ランシュ、火傷は本当に大丈夫なの?」


 ソファに座ってぼんやりするランシュの隣に腰掛けて、結衣は尋ねる。
 ランシュはこちらを向いて、クスリと笑った。


「相変わらず心配性だね、ユイは。全然平気だよ。二百度くらいは耐えられるから、この皮膚」

「だって、すごく熱そうだったし」