ロイドの目が、驚愕に見開かれた。
 どうやら気付いたようだ。


「つついた……ランシュを攻撃したのか?」


 もう一押ししておこう。


「うん。人間を攻撃しちゃいけないのよね? だから、どこか調子が悪いのかと思って」


 ロイドは何も言わずに立ち上がると、小鳥を結衣に押しつけるようにして、早足でリビングを出て行った。

 小鳥を目の前まで掲げて、結衣は頭を下げる。


「ごめんね、ロイド。あなたはどこもおかしくないのに」


 電源の入っていない小鳥は、無機質な瞳で、じっと結衣を見つめていた。