耳元で消え入るような、か細い声がつぶやく。
「どうして……」
次の瞬間、ランシュは結衣をソファに押し倒した。
小さな悲鳴を上げて、結衣はソファに背中を付けた。
慌てて起き上がろうとするが、ランシュが両肩を掴んでソファに押さえつけ、身体が起こせない。
ランシュの腕を掴んで外そうとしたが、ビクともしなかった。
ランシュは結衣を見下ろしながら、憤りをぶつけた。
「どうして?! 先生は冷酷な人だよ。オレは二年前、寿命が尽きかけていた。それを知っていながら、オレが残りの命全てをかけて完成させようとしていた開発を途中で奪った。オレを免職にしたのは、あの人なんだ!」
ランシュが命をかけて完成させようとしていた開発。
それは以前少し聞いた、究極のヒューマノイド・ロボットだろう。



