結衣がランシュの胸に手を当て、身体を押し戻そうとするが、ランシュはそれを許さなかった。
「ずっと黙っているつもりだった。話したらユイを困らせるし、ユイが幸せに笑っていてくれるなら、それでいいと思ってた。だけど、こんな風に泣いているとたまらなくて……」
抱きしめるランシュの腕に、一層力が加わる。
「オレじゃダメ?」
ドキリとして、身体がピクリと震えた。
ランシュにも結衣が受け入れられない事は分かっているだろう。
ここまで追い詰めたのは、自分の責任だ。
結衣は静かに口を開いた。
「ごめんね、ランシュ。私、全然気付いてなかった。ランシュの気持ちも知らずに、自分の事に手一杯で、ランシュの優しさに甘えて傷つけてたのね。こんな自分勝手な私を、好きになってくれてありがとう。だけど私、ロイドじゃなきゃダメなの」
ランシュの肩が一瞬、ピクリと震えた。



