バイナリー・ハート

 奥の扉を開けて家の中に入ろうとすると、後ろからユイがついてきた。


「じゃあ、お茶淹れるわね」


 振り返ったロイドは、それを冷たく拒絶する。


「いい。かまうな。というより、悪いが席を外してくれ」


 ユイは立ち止まる。
 笑顔が消えて、表情を硬くした。


「局の話?」
「あぁ」


 ロイドが短く答えると、ユイは淡く微笑んだ。


「じゃあ、私は店にいるから、終わったら声かけてね。私もあなたに話があるの」
「わかった。すまない」


 ロイドはランシュと共に家に入ると、扉を閉じた。