このところ忙しくて挨拶の時しかキスもしていなかったので、少し不満に思いつつも、ロイドはユイに続いて、ソータと共に家に入った。

 リビングの奥でユイからロボットを受け取ったランシュは、こちらを向いてロイドに挨拶をした。
 ロイドはランシュとソータにそれぞれを紹介する。二人は笑顔で握手を交わし、揃ってソファに腰を下ろした。

 ソータには帰る道すがら、ある程度ランシュの事は話しておいた。
 初対面で質問するであろうランシュの経歴や出身については、科学技術局の内部事情に関わるため、本人も答える事が出来ないので、訊かないように言ってある。

 ソータはニッポンの学校で、機械工学分野の研究をしているらしい。
 ランシュが機械工学の天才児だと言われていた事を話すと、興味を示していた。

 ロイドの作ったマシンにも興味を示していたが、今はランシュの作ったマカロンが気になるようで、色々と質問を繰り出していた。

 元々研究一筋で人付き合いの得意でないランシュは、最初こそ戸惑っていたが、人懐こいソータに自然と打ち解けていった。

 なかなかいい傾向じゃないかと、ロイドは密かに悦に入る。

 話を聞いていると、マカロンには音声認識機能も追加されているようだ。