「キャーッ! マカロン、外に出ちゃダメーッ!」


 ソータを連れて家に帰り玄関を開けた途端、ユイのわめき声が出迎えた。

 呆気にとられたロイドの元に、ユイが駆け寄ってきてしゃがみ込んだ。
 見ると、足元に円盤状のロボットがいて、目玉のような四つの赤いランプを点滅させていた。

 上部についたスイッチを切って、ユイはロボットを抱えて立ち上がった。

 そのロボットは、ロイドがランシュに作らせていた、床掃除ロボットだ。

 フライパンから柄を取ってひっくり返したような大きさと形状で、底面にはセンサと自在に動く車輪がついている。

 狭い隙間にも入れるように、厚みはフライパンの半分くらいと、かなり薄い。
 センサでキャッチしたゴミや埃を、底面に取り付けられたブラシを回転させてかき集め吸引する。

 人工知能を搭載しているので、使用するごとに部屋の形状やゴミのたまりやすい場所をデータとして蓄積し、以降の作業を効率的に行うようになる。


「もう出来たのか」