「俺は連絡先なんてしらねーよ!」

さっきまで自分が優位だと信じて疑わなかった中野は
急に押しつけられた現実に戸惑いを見せた
そして逆ギレ

「大体、お前はナナコさんの連絡先知っときながら何ウジウジしてんだよ!」

「いや..えっと...」

中野のあまりの剣幕にカチンときていたはずの津川がなぜか押され気味

「連絡先知ってるんなら堂々と食事くらい誘いやがれ!俺がどんだけ苦労したと思ってんだ!!」

泣きそうになりながら怒鳴っている中野に
食事に誘う勇気があるならメアドくらい聞けよ
とは言うにいえず

「うん、なんかごめん」

っと詫びる必要のないはずの津川が謝った
そして後は送信ボタンを押すだけのメールはナナコさんへと届くことは無く消滅した



そして、この後が大変だった
荒れて飲みまくる中野
それを止める津川
それでも飲みまくる中野
それを止める津川と店長


それでも飲み続けようとする中野に、さすがに店長は酒を出さなかった
すると気が狂ったかのように叫びだす始末


「俺はなんでナナコさんの連絡先を聞かなかったんだー!!」

今更になってやっと気がついたのか...
顔がひきつっている津川に同情の眼差しを向ける店長

そしてそれも終わると
パタリと何もなかったかのように寝てしまったのだ