「まあまあ、津川さんもそんなに落ち込まないで」

元々常連だった中野と毎日飲んでいるため
すでに店長と仲良くなっていた

ビールを持ってきたついでに慰められた津川はジョッキをかたむけると一気に飲み干す


「店長、俺にもおかわり!」

「はいよ」

呆れた様子で軽く返事し、店長は奥へと入っていた


「それにしても食事に行くなんて...お前、まさかナナコさんといい感じな雰囲気なのか!??」

「まあ、お前よりはな!残念だったな津川」

ナナコさんとした食事を思い出したのか
ニタニタと頬が緩んでいる

その様子を見ていた津川は悔しくて仕方ないのだろう
また頭を抱えると
ありえねぇっとブツブツと言っている


「おまちどおさん」

追加のビールを持ってきた店長が頭を抱えてる津川を見て呆れたようすで溜め息を1つ吐いた

「津川さん、そんなに気になるなら本人に聞いてみたらいいじゃないですか」

店長の言葉に眉間にしわを寄せたまま顔をあげた津川は、いまいち言ってる意味が分かってないようだ

「中野さんの言葉を信じるのも良いですけど、この人のことですよ?1人で空回りしてる可能性だってありますからね」


クスリと笑う店長に中野は
ひどいなぁっと苦笑いしている