机にうなだれていた津川は顔を上げチラリと中野を見ると
静かに口を開きはじめた

「今日1日仕事でトラブルだらけでさ、テンションあげる気にもならねぇんだよ」

そう言うと津川は机に顔を伏せた

いつもバカにしあい、ケンカばかりな2人
相手よりも少しでも早くナナコさんに近づけるようにと、日々競い合い
時にはナナコさんに嫌われる事を
お互いに願い合っている酷い2人

出会ったばかりの頃なら
津川が落ち込んでいると笑いが止まらなくなっていただろう

だが、今はなぜか
笑えなかった...


心からの心配...


おかしな感情である


その自分の変化に中野自身は気づいてはいなかった


落ち込んでいる...
理由が[仕事]だと言うならば励ましてやらなければ!


無意識に思っていた


「仕事でどんな事があったんだ?」