翌日

昨日とは変わりガラリと違う雰囲気をしていた

「はぁ...」

先に来ていた津川はいつものようにカウンターに座るとなぜかため息ばかり
店長もいつもとは違う空気に話しかけにくそうにしている

ビールは片手に持っているが全く減っていない

「はぁ...」

もう一度深いため息を吐くと津川はやっとビールに口を付けた


ゴクッゴクッと一気に飲み干すとガンっと空のジョッキを机に置く

「はぁ...」


そして3度目のため息を吐くと机にうなだれてしまった



「おーっす、店長!俺にもビールちょうだい」

津川がうなだれて数分後
遅れて中野も飲兵衛に到着した

店長に、とりあえずビールを注文するとカウンターに座っている津川を見つけ隣に座る

「お疲れー」

「あぁ...」


中野がいつものように軽く声をかけると帰ってきた返事が余りにも元気が無くひどく驚いた


「おい、津川どうしたんだよ?」

あまりの元気のなさに心配する中野
恋敵だろうがライバルだろうが
ちっぽけなプライドの為とは言え毎日飲んでいる相手に元気がないと笑えない