「普通全部食わずに残すだろうが!」

「お前の普通なんて理解できん」

「俺じゃなくお前が変なんだ!」

「ケータイ見ながらニタニタ気持ち悪く笑ってる奴のどこが変じゃないんだか」

「なんだとぉ!」

「はいはい、そこまでにして下さい」

店長に口を出され2人共黙るしか出来ない
怒られ出入り禁止になんてされると困るからだ
黙っては居るが2人共睨み合っているままだ
納得していないのは明確に見える

―――――


だが、本当に大変なのは翌日だった
津川はナナコさんとの初ランチを無事に終え
どれだけ素晴らしかったのかをテンション高く話し続ける

それを聞かされ中野はどんどん機嫌が悪くなる


店長の手前大声でケンカはしていないが
その空気は最悪なものだった


「でな、ナナコさんとパスタを食べに行ったんだけどな!上品で食べ方までもが美しいんだ!」

「ふーん」

「食後なんてミントガムくれたんだ!気が利くよな、本当に見た目も性格も完璧だよな」

「お前にはもったいないくらいな」

中野の、この一言で
ご機嫌だった津川だったが態度がガラリと代わり喧嘩腰になる