それでも次の日には飲兵衛で集まっている2人
待ち合わせもしてないのに毎日毎日ライバルと飲むなんて
なんて暇人なんだろうと店長は呆れを通り越して笑っている
飲み代も毎日だとバカにならない値段だろうに
ある程度の収入に
家庭もなく彼女も居ない
そんな年頃の男達は金遣いが荒いのだろうか
「今日、昼間ナナコさんにメールで食事に誘ったんだ、どうなったか気になるだろ!?!なあ!」
「言いたがってる様子からしていい答えが返ってきたんだろ」
今日はいつもとは違い
津川がテンションの高い日だった
そんな津川に、中野はちょっと不機嫌そうにぶっきらぼうに答える
昨日のこともあり感情的に怒るのを堪えているようすだ
だが、津川は自分の番が来たと言わんばかりに容赦なくナナコさんの話をする
「ディナーではないがランチに行くことになったんだよ!!仕事場が近いから待ち合わせて行くんだ!まるでデートだ!!」
見るからにルンルンと効果音がつきそうな津川の頬は緩みっぱなしだ
だがそれは中野からすると自分を苛立たせる材料にしかならない
「ってことはだ、夜は断られたって事だろ?警戒されてるんじゃないのか?」
「ひがんだって無駄無駄!なんせ俺は幸せだからな」
ワハハっと高らかに笑うとナナコさんとのメールを見ているのかケータイの画面を見ながらニヤニヤとしている
どうやら津川は機嫌がいいと周りの人の嫌みなどが効かない人のようだ