あなたの全てがこんなにも好きなのに、あなたは私を好きになってはくれないの。 「灯(ひのと)、行くよ」 嗚呼だけど、その笑顔の理由になれる今だけはこの思いにどうか酔わせて。 繋いだ手の温度を独占して、私だけを映して。 「しぃくん…ずっと一緒にいてくれる?」 「勿論だよ」 幼い私の浅ましく汚い心をどうか見透かさないで。 今だけは、このままでいさせて。