それから顔を少し離すと、杏奈と目が合った。



恥ずかしいからか、杏奈がすぐに目をそらす。



「目そらすなこっち向けよ。」




「.......無理。」




「まぁ今はいいよ、一歩ずつ進んでいこうな。」




お前のテンポにしょうがないから、俺が付き合ってやるよ。




「もう、気分は悪くない?」




「大丈夫だよ。悠真のおかげで元気になった。」




「なら、家に帰るか。」




夕焼けが照らすいつもの道をゆっくりと帰った……