「１７分ですね！急げば間に合います。」
谷崎さんが運転席から声をかけてくれた。
「いや、杏奈様のためにも全力で、間に合わせます。ちょっとスピード出しますけど、シートベルトをきちんとつけといてくださいね。」
そこから風のように車を飛ばしてどんどん前の車を追い抜いていく。
景色が目まぐるしく変わる間も、あたしはずっと祈り続けていた-----------
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「到着しました！急いで降りてください、ここからまっすぐ行けば間に合うはずです。」
「ありがとうございます。」
あたしはその日ひとことだけ伝えて車から飛び出した。
