カチャン、
『…ただいまー。母様、しゅー帰ってる?先に帰るなら一言言ってからにしてって、いつも…』
『『…あ、おかえり』』
『…うん、ただいま。…楽しそうだね。なにしてるの?』
『んー、さくちゃんには内緒ー』
『…母様』
『…そう、ガールズトークなの』
『…しゅーまで』
『うそうそ、冗談!しゅーちゃんとお母さんは仲良しだよねって、話してただけなのー』
『そうなの?…ふふ、そうだね、二人とも仲良しだね』
『でしょう?あ、さくちゃんもねー』
『うん、ありがとう。…ちょっと、ついで的な感じがしないでもないんだけど』
『気のせいだから。さぁ、お手伝いよろしくー』
『…ごまかしたよね。…手洗って来るから、待ってて』
『うん、ありがとう』
…幸せな、時間。
優しくて可愛くて、大好きな母。
母に似て、優しく頼れる双子の兄、朔乃。
二人がいる、それだけで幸せだった。

