夜明け前



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珠花が休んでいる病室のドアを開ければ、ベッドで眠っている珠花の横で、椅子に座ったまま上半身をベッドに預けて眠っている朔乃がいた。


二人揃って色素の薄い髪、…瞳も薄かったな。


本城家は皆真っ黒だ。


姉様も美しい黒だった。


…だから、色素が薄いのは父親似、か。


父親が誰かは知らない。


けれど、思い当たらないわけでもない。


あの頃に姉様が出会ったであろう人物を思い返せば、一人浮き上がる人物がいる。


けれど確証はない。


姉様本人も、相手には妊娠したことすら伝えていないと言っていた。


…その話は落ち着いてから、だな。


そう考えながら、気づけば朔乃のサラサラの髪を撫でていた。


するとなぜか、珠花が目を覚ました。


「ん…、?…ここ、どこ?」


「病院だよ、珠花。気分は?」


「…病院?奏音さん?どうして?」


「具合、悪かっただろ?それでだよ。今翔子先生呼ぶから」