夜明け前



私を見つめる女子達に視線を向ければ、敵意のこもった視線とぶつかる。


「単刀直入に聞くけど、結菜と朔乃くんの邪魔したの本城さんだよね?」


女子達のリーダー格であろう女子が真ん中に立って、隣にいる相野さんを気遣いながら睨んでくる。


「…え?」


―邪魔?どうゆうこと?


相野さんはこちらを涙目で睨んでいて、空気は最悪。


「結菜が朔乃くんと一緒にいるの、気に入らなかったんでしょ?」


―寂しいとは思ってたけど、…気に入らない?


「そんなこと思ってないし、言ってないよ」


「…言ってない?じゃあなんで朔乃くん結菜と話してくれなくなったの?告白がだめでも、話くらいしてくれてもいいじゃん!本城さんがなにか言ったに決まってるよ!」


どうゆう思考回路だ。


「本当に言ってないよ…。私に言わないでさくに聞けばいいじゃん」


ため息を深くついてしまう。


―いい加減にして欲しいな。体だってつらいし。


「なに、その言い方。…てゆうかさ、本城さんがいるから朔乃くんも自由に恋愛出来ないんじゃん?足手まといって分かってないの?結菜とのことだって、本城さんに気遣ったんじゃん?」