夜明け前



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「…ぷふっ、さく大丈夫?」


「今笑ったよね、…別にもう大丈夫」


そう言って、ムスッとしながらぶつけた所を冷やすさく。


「朔乃くん、冷やしてればそのうちによくなると思うから」


「…ありがとうございます。翔子先生」


「いいえ、私がもうちょっと上手く起こすべきだったかな」


優しい翔子先生、私の中で母様の次に母様みたいな存在になってる。


「―そうだ、翔子先生、なにか用があったんじゃ?」

「そうそう、急いでたわけじゃないんだけど、母様とさっきの…奏音さんが待ってるわ。…行ける?」

「あ、はい」


「わかりました。すぐに行きます。しゅー、行こっか」


さっと立ち上がって、私に手を差し出すさく。


その手を握って、


「ん、行こう」


母様と、母様の家族に会いに。