夜明け前



「そっか。ん、楽しいならなんでもいいよ」


ニコッと笑って、優しく頬を撫でてくれる、そーちゃん。


「うん」


なんだか嬉しくて、こちらもニコッと笑い返す。


「……可愛いっ!!」


すると前からそんな言葉が発っせられた。


誰かはもちろん、さっきからずっとテンションの高い、あの人。


「…えっ、と…。そーちゃん、この方は…?」


とさくがそーちゃんに助けを求める。


そうそう、まずこの人が誰かわからないと、余計にどうすればいいかわからない。


「…あぁ、そうだな。……キリ、自己紹介」


「…へ?してなかったっけ〜。はは!……はじめまして、俺ここの理事長やってます、桐野柊です。よろしく〜。ちなみに、君達のおじ様とは親友でーす」


「…訂正。ただの腐れ縁。わかった?」


「うん、大丈夫。…本城朔乃です。よろしくお願いします」


「はいはい、存じてますよー」


この人、本当に楽しい。


「妹の、本城珠花です。よろしくお願いします」


「…うんうん、よろしく!やっぱ可愛いっ!欲しい!奏音ちょ」


「やらん。黙れ」


「怖ーいっ」