「…それに珠花が消えたら、俺干からびちゃう」
「……クスッ、…消えないから、…干からびないで」
ずっと泣き顔や曇り顔を浮かべていた珠花が、ようやく笑った。
その瞬間、部屋の張り詰めた空気が和らいで行くのを感じた。
「………しゅー?…俺は、転校したいって思うんだ。…環境が変われば、気持ちだって変わるし、…新しい道も開けるかもしれない」
「さく…」
「……しゅーが一緒なら、心強いし、安心するんだけど」
だめ?そう言って、珠花に頼んでいる朔乃。
兄貴だなぁ、そう思った。
……朔乃こそ、我慢するばかりだ。
もっとのびのびと、13歳と言う年頃を楽しませてやりたい。
けれど、口で言ってもそう簡単に今のスタンスを変えないだろう。
姉様に似て中々頑固と見える。
頑張り所、か。
そう考えていると、
「姫、藤乃宮はねぇ、制服が可愛いんだよー。あれ着られちゃうとなんでも許せるよねー」
「なんでもってなんだよ、一体。……でも、確かに制服可愛かったな。お姫様によく似合うだろうよ」
「なんでもはなんでも〜。絶対に似合うよねー。転校しなよー」
お前等それしか無いのかよ、と突っ込みくはなったけれど。
楽しそうに笑う珠花と朔乃を見れば、まぁいいかと思う。

