夜明け前



「珠花が傷ついて苦しんでることが、俺達も苦しいんだ。…珠花が笑って、楽しく毎日を過ごせるようにって願ってるから」


「…うん」


「……珠花?本当に思ってること、言っていいんだぞ?」


「……そんなことくらい、って思うよ、きっと」


「……思わないから、言いなさい。…約束する」


「……………、本当に?」


「あぁ、嘘はつかない。……俺を信じて?」


「………ずっと、ずっと、我慢、してた。…毎日、陰で色んなこと言われてた。…全然、違うのに。…違うって、分かって欲しくて、頑張ったけど、でも、分かってくれなくて、…あきらめちゃだめって、分かってるけど、でも、……でも、もう疲れちゃった。……消えろって、言われて、…消えたいって思ったの」


もう頑張れない、そう言って振り絞るように思いを吐き出す珠花が、本当に消えてしまいそうで、ギュッと引き寄せた。


「…あぁ、珠花は頑張りすぎるくらい頑張ったよ。…もう頑張らなくていい。…それに、珠花のことは朔乃が一番分かってるだろ?俺だって、分かりたいし、もっと仲良くなりたいって思ってる」


ギュッと抱きしめて、珠花の額に自分の額をくっつけて見つめ合う。