教室についてドアを開けようした時、聞こえて来たのは聞き慣れた会話。


「そういえば本城さん、またHRいなかったよね」


「毎度のごとく、つのぴーうるさかったし」


「いつもふらーっといなくなるよね」


「ね。てか思い出したんだけどさ、本城さんのお母さん!若かったよねー。しかも綺麗!」


「あ、この間の授業参観?そうだよねー、いいなぁ。うちのママももうちょっと…って、でもさ、ちょっと若すぎじゃない?」


「あ、それ思ってた。どう考えても若いでしょ。だって中一の子供がいて、20代はびっくりでしょー」


「それに、父親いないって聞いたし、訳あり?」


「あきらか訳ありでしょーよ」


「ねー、だから元気ないのかな?あんま馴染まないじゃん?本城さん」


「あー、どうだろ。たしかに暗いもんね」


「ちょ、暗いって(笑)」


「だって本当のことじゃん」