「別れましょう、先輩」 そう言った翔くんは今まで見たことないぐらい、優しくて…… 泣きたくなるぐらいに綺麗な笑顔だった。 「えっ…」 ワ カ レ マ ショ ウ セ ン パ イ 時間が一瞬止まったかのように思えた。 何かの聞き間違いじゃないか、と思った。 「今、なんて…?」 「『別れましょう、先輩』そう言いました」 「嘘だよね…?」 そんなはず… 頭の中で何度も同じ言葉がぐるぐると回る。 「嘘じゃありません」 「冗談、だよね……?」 翔くんは首を横に振る。