逆光のせいで翔くんの表情がよく分からない。 「翔くん……?」 翔くんは無言で私を見ている。 波の音意外何も聞こえない。 会話のない静寂の中に、波を打つ音だけが不自然に聞こえる。 波の音が耳障りだなんて思ったのは初めてかもしれない… そして、波の音だけがしていた静寂を翔くんが破った。